セミナー

最終講義

3月も終わり、年度末です。この3月はお世話になった先生の最終講義が2つありました。1つはポスドク時代の受け入れの先生、もう1つは学生の頃から(そして)就職してからもお世話になってきた先生です。前者は最終講義と懇親会にただ参加するだけでしたが…

なぜ今の研究に興味をもっているのか、というのを考えさせてくれた講演

普段、学会発表や招待講演以外では滅多に講演を聴きに行くことはありません。もともと出不精な性格ということもあるのですが、論文を読んだりすれば新しい研究の知見は得られますし、学会発表のついでに聴ける講演でも多くの情報が入ってきます。大学にいれ…

研究留学

異国の地で一定期間留まって研究に従事することをここでは研究留学と呼ぶとします。研究者を志すなら、一度はこの研究留学を体験しておきたいものです。しかし、研究留学がどういうものか、大学生や大学院生の頃から事前に知っておくのは大切なことだと思い…

研究をしてきた理由

年度末の大学では、退職される先生の最終講義というイベントがあります。研究所でも、退職される研究員の方が最後のセミナーをして送別会が催されることもあります。この度の震災で、いろいろ変更があったのですが、所属している研究所でも3月末に退職される…

「種間相互作用の島嶼生物地理」を企画

日本生態学会の札幌大会に参加しました。 この数年、島の生物学を勉強したり研究したりして、島の生物間相互作用について少しまとまった形として何かしたいなあと漠然と考えてきました。ハワイから帰国して、次も島の生物学を研究できるという保証(例えば研…

昆虫学会の支部会

先日の日曜日、久しぶりに昆虫学会の支部会に参加してきました。 京都にいる時は毎年のように支部会に参加していたのですが、関東地方に移ってからは参加したことがありませんでした。ちょっと遠い場所で開催されていたのと、いろいろ忙しかったからです。 …

英語のセミナー発表

これまでなんとなく英語でのセミナー発表を避けてきたのですが、ついに発表をせざるをえなくなりました。もっとも、研究室のミーティングや学会(Evolution 2010)などで15分程度の短い発表はしてきたのですが、30分をこえる発表は準備などがちょっと面倒な…

米国開催の進化学会に参加

オレゴン州のポートランドで開催された Evolution 2010 に参加してきました。実は、日本国外で開催された学会に参加するのは初めての経験です。 ポートランド市街を走るマックス・レイル(町の中心部に限り無料で利用できる) ポートランドは札幌とほぼ同じ…

アリのいなかった島(4)種の同定

今日のセミナーはハワイのアリ類についての概説と、サンプルを使って同定をしてみようというものでした。 以前に紹介したようにハワイにはもともとアリが1種も分布していませんでした(同様にシロアリ、社会性ハナバチ、社会性カリバチも分布していない)。…

ハワイの都心部に見られる在来種

先週末に研究室のプロジェクトのアシスタントをしている院生の Ph.D. Defense(博士論文公聴会)がありました(参考:Ph.D. Defense の条件)。もうずいぶん公聴会を見てきたのでパターンはわかってきましたが、今回はちょっとした余興もありました。演者が…

生物学おすすめ読み物

今日のセミナーは、生物学を専攻する学生のための書籍の紹介という内容でした。教科書を一冊丸ごと読むことはほとんどないでしょうが、一般向けに書かれた科学書(いわゆるポピュラーサイエンス)は一冊通して読むことを前提に書かれています。そこで、その…

温帯からやってきた外来種

今日は研究室のMさんの博士論文公聴会(Ph.D. Defense)でした(参考:Ph.D. Defense)。ハワイの在来陸産貝類の保全や生態、外来種による影響についての研究です。 ハワイは常夏の島で知られるように、熱帯か亜熱帯に所属する温暖な島々です。一方で、ハワ…

聴衆の法則

今日は3人分のセミナーがありました。一つめはC3植物とC4植物がハワイ島の標高に沿ってどのような分布をしているか、またこの数十年の気候変動で分布が変わったか、というお話。二つめは、インドで草食獣のグレイジングと野火が固有のヤシに与える影響を実…

アリのいなかった島(2)海鳥のヒナを襲う外来アリ

今日は午後に Ph.D. Defense(博士論文公聴会)がありました。 ハワイ諸島にはもともとアリがいなかったことが知られていますが、現在では多くの種が侵入し(参考)、在来生態系に影響を与えていると考えられています。その影響の一つとして、海鳥のヒナがア…

生物的防除が落とした影(5)スペシャリストを用いても危険?

今日は研究室のミーティングで論文紹介をすることになったので、最近勉強中の生物(的)防除のリクスに関する論文を紹介してみました。 これまでの事例から、いろいろな種の天敵となるようなジェネラリストを生物防除目的に導入してしまうと、本来ターゲット…

研究室のミーティング

大学院生の時およびポスドクの時に属した大学の研究室では、それぞれ週一回のセミナーがありました。個々の院生が週替わりで研究を発表するというもので、その他事務連絡や話し合いもそのときに行われました。その後に移った独法研究所では、年に一回の研究…

動植物研究者の女性比の比較

動物・植物学部合同のセミナーがスタートしました。動物学部の大学院生によるPh.D. Defenseで、サンゴの細胞内共生系の浸透圧調整遺伝子発現について。方法を含めて全く馴染みのない研究だったので、英語の専門用語も含めてほとんど理解できませんでした。た…

ニュージーランドにおけるチッチゼミの多様性

今日は久しぶりのセミナーがあったので参加しました。ニュージーランドのセミの分子系統に関する発表でした。 ハワイ諸島やガラパゴス諸島といった隔離された海洋島には、もともとセミが分布していないことはよく知られています。しかし、ニューカレドニアや…

米軍会議に出席?

今日は、US Army(米陸軍)の保全関係の会議に参加させてもらいました。Rさんが研究室のスタッフや研究内容の概要を、大学院生の一人が Kaala 山の陸貝相についてを、それぞれパワーポイントを使って紹介していました(私は見てただけです)。 「大学教授の…

予備データの重要性

今日は、研究室のアシスタントによる内輪向けのセミナーに参加しました。お昼時ということで、ピザに加えてビールまで振る舞われました。平日のお昼からビールを飲むという発想がすごいなあとは思いつつ、私は辞退しましたが(教員もさすがに飲んでなかった…

ハワイから広がる多様性

大学はすっかり夏休みという感じで学生もまばらです。研究室のRさんも出張と帰省をかねて欧州に旅立ちました。二ヶ月ほど帰ってこないそうなので、研究室も少し気が抜けた感じです。ということで、夏休み中はセミナーがないかと思っていたのですが、今日は臨…

インフルエンザ発生や Ph.D. Defense

キャンパス内の学生寮で、いわゆる「豚インフルエンザ(swine flu)」が発生したそうです。といっても、今のところ大学が閉鎖されたり、授業がなくなるわけでもないようです。こういった情報は、大学からの一斉メールや日本総領事館からのメールで知らされま…

両生類のいなかった島:カエルに食べられた鳥

今日のセミナーは、ハワイ固有の水鳥であるハワイセイタカシギ*の研究についてでした。 Wikipediaより セイタカシギですから、もちろん湿地に生息し、繁殖もそこで行われます。ふ化率は比較的高いにも関わらず、ヒナの死亡率が極めて高いようで、マングース…

ハワイモンクアザラシの遺伝的多様性

今日(金曜日)はセミナーの日。 午前と午後は同じスピーカー(大学院生)によるものでした。前半は、主にレモンザメ類の系統地理、後半は Ph.D.Defense で、ハワイモンクアザラシの遺伝的多様性についてでした。いずれも分子データをもちいた研究で、成果は…

セミナーと送別会

最近、Bさんが実験を教えたいというので、学部生に混じってDNA抽出とPCRを習っています。実は、ピペットを持つのも十数年ぶりで、DNAに関する実験は一度もしたことがありません。最初、「パイペットを持って」と言われても、何を持つのかさえわからないあり…

金曜日はセミナー

最近、朝と夜の気温が低めで、半袖では肌寒い感じです。といっても、自宅の気温を測定したら23℃もあってびっくりです。この低温?が原因か、研究室の建物の冷房も止まっているのですが、窓も開けられないうちの研究室の室温はどんどん上がって30℃に。研究室…

外来種スクミリンゴガイの起源

Defense後のパーティーがRさん宅であったので参加しました。Rさんもほっとした感じで、supervisorも(奥さんも)なかなか大変だと感じました。 さて、今回のDefenseの内容は、日本でも田んぼの害虫としておなじみのスクミリンゴガイ(ジャンボタニシともいう…

Ph.D Defense

暴風予報で大学は閉鎖されたものの、なんとかKさんのDefenseが開かれました。審査の先生たちだけでなく、学生、掃除のおばさんから、事務の人、本人の奥さん、先生の奥さんまで、実に多くの人が参加していました。 これまで3度ほど行われたDefenseを見て、…

サメの求愛:ネムリブカは噛み付いて交尾する

受け入れ研究者である先生は、ハワイ大学の研究センターに所属していますが、同時に動物学部(Department of Zoology)の教員(Facultiy)も兼ねています。最近、動物学部の大学院生によるPh.D(博士号)を取得するためのPh.D Defense(博士論文の口頭試問)…

外来植物の駆除に新たな手法:銃で撃つ!?

先日、外来種防除に関連する発表(talk)があるというので、Rさんに連れられて参加しました。アメリカでの大学の教員(faculty)は、tenure trackといって、最初に任期付きの常勤職を経て、数年後に任期のない(permanent)常勤職に昇進していきます(日本で…