2010-04-01から1ヶ月間の記事一覧

研究室旅行とピクチョナリー

あっという間に4月も終わりに近づきました。 そういえば昨年に学位をとったKさんが最近の日本で言えば特任助教(=任期付の教員)として研究室に復帰しました。卒業生を研究室スタッフとして呼び戻すというのは、日本の古典的な講座制研究室みたいでちょっと…

アリのいなかった島(4)種の同定

今日のセミナーはハワイのアリ類についての概説と、サンプルを使って同定をしてみようというものでした。 以前に紹介したようにハワイにはもともとアリが1種も分布していませんでした(同様にシロアリ、社会性ハナバチ、社会性カリバチも分布していない)。…

秘書の日

昨日21日は「秘書の日」でした。米国では4月の第4週の水曜日を「秘書の日」に定めているらしい(Wikipedia)。うちの先生はカードにみんなのサインをいれて、花と一緒に渡して日ごろの感謝の意を表していました。うちの研究センターの秘書さん(いわゆる事務…

ネガティブデータが出版されにくい理由

研究費やポジションをめぐる競争が激しい研究社会では、論文を積極的に出版することが強いられます。そのようなプレッシャーの中では、仮説にあったポジティブデータが出版されやすい傾向にあって、仮説にあわないネガティブデータは引用されにくいし出版さ…

アボカドとメガファウナ

ハワイに来てアボカド(avocado:Persea americana)をよく食べます。日本ではほとんど食べた機会がなくて、米国のカリフォルニア巻きと呼ばれるお寿司に使われる食材くらいの知識しかありませんでした*1。しかし、アボカドを使ったハンバーガーやサンドウィ…

ロコモコの起源

この間ビッグアイランド(ハワイ島)に行った時に飲食店でロコ・モコ(Loco Moco)を注文したら、とんでもない量が出てきて食べきれませんでした。こちらではメニューを見ただけでは量がわかりません。日本のように店頭に見本が置いてあるのは大変便利だと改…

カメハメハチョウの巣作り

ハワイにはさまざまな固有の昆虫が知られていますが、チョウはわずか2固有種しか知られていません。1種はハワイルリシジミでした。そしてもう1種はカメハメハチョウ(Vanessa tameamea)と呼ばれるアカタテハの一種です。 カメハメハアカタテハ (研究室のあ…

ゴンドワナのタイムカプセル:虫入り琥珀

米国科学アカデミーの紀要にエチオピアで発見された琥珀の論文が出ていました。 ナショナルジオグラフィック ニュースでもいくつかの記事に分けて写真入りで紹介されています。 「アフリカの虫入り琥珀:未知の品種」 「アフリカの虫入り琥珀:ゴンドワナ」 …

虫下しがダイコクコガネの減少原因か?

食糞性コガネムシ類、いわゆる「糞虫(ふんちゅう」は、私が昆虫少年の頃にはちょっとしたアイドル的な存在でした。 特に、「どくとるマンボウ昆虫記」にも登場するダイコクコガネとよばれる大型糞虫の雄には、カブトムシに勝とも劣らない立派な角があり*1、…

メクラヘビの生物地理

ナショナルジオグラフィック ニュースから 「新種のメクラヘビ、生息分布の謎に迫る」 ミミズそっくりの小型(せいぜい全長20cm)のヘビ、メクラヘビ類は、地表や地中にいるアリやシロアリの卵や蛹などを食べると言われています(もちろん人に危害は加えない…

島の種数平衡理論:独立した発見

日本人によって行われた独創的な研究が海外の研究者に無視されているという話はしばしば耳にする話です。昔は日本人は日本の雑誌に日本語で論文を発表していたため、海外の研究者はそれを見ることも読むこともできず、気づかれなかったと言っても良いでしょ…