2010-03-01から1ヶ月間の記事一覧

絶滅種キイロネクイハムシの生態

この50年ほど生きた個体が日本から見つからなかったキイロネクイハムシ(Macroplea japana)は、最近の環境省のレッドデータにて「絶滅種」とされました。 絶滅を証明する難しさはありますが(参考:絶滅判定は悪魔の証明)、日本の甲虫採集家の多さや、近年…

海より陸上で種多様性が高い理由

海より陸上で生物の種数が多いのはなぜか?*1 この理由に関する仮説が、サイエンス誌にとりあげられていました。ネイチャーやサイエンスでは、原著論文、総説以外にも、ちょっとしたトピックについてライターが取材して書いている場合があって、具体的な引用…

水陸両生のハワイカザリバガ

ハワイの珍奇なる虫たちシリーズの3回目でとりあげたハワイカザリバガ類(Hyposmocoma)ですが、続編が米国科学アカデミーの紀要に最近発表されたようです。 ハワイで数百もの固有種に分化したカザリバガですが*1、幼虫がカタツムリを食べる肉食の種類や、渓…

フローレス島にすむ小人の歴史

ナショナルジオグラフィック ニュースから 「ホビットは100万年前からいた?」 以前にも少しふれたフローレス原人の続報です(島の法則:ヒトも島では小型化した?)。インドネシアのフローレス島から化石が見つかった小型のヒト属の一種ですが、100万年前か…

ハワイの都心部に見られる在来種

先週末に研究室のプロジェクトのアシスタントをしている院生の Ph.D. Defense(博士論文公聴会)がありました(参考:Ph.D. Defense の条件)。もうずいぶん公聴会を見てきたのでパターンはわかってきましたが、今回はちょっとした余興もありました。演者が…

半島効果(Peninsula Effect):半島部に種の多様性勾配はあるのか?

半分の島と書いて「半島」、また英語の「peninsula(半島)」は「pen(ほとんど)+insula(島)」が語源だそうです。 実際、基部がくびれた半島は、ほとんど島のようにみえることもあります。ということは、半島でも島と同様な種の多様性パターンを示すとし…

大学院生の研究費

米国でも日本でも、研究者は研究費を獲得するために提案書を書いて申請します。国の研究費だったり、民間の研究費だったりします。日本では科学研究費補助金(いわゆる科研費)が一般的です。米国では国立科学財団(NSF)の支給する研究費がそれにあたります…

研究キーワード数や論文引用数が増加するのは必然?

『ウィルソンとマッカーサー以来「島嶼生物地理学(Island Biogeography)」は生態学において重要なテーマですが、近年ますますこの分野が脚光を浴びています。』 と紹介する時、「island biogeography」のキーワードで Web of Science *1で検索をかけて、こ…

面積と密度の関係:密度補償はおこるのか?

面積が増加すると種数が増加します。当然、ある種の個体数も面積とともに増加することが予想されます。では、ある種の個体群密度(面積あたりの個体数)は、面積が増加するとどうなるのでしょうか。増加するのか、減少するのか、それとも一定なのか。 マッカ…