2009-05-01から1ヶ月間の記事一覧

ハワイから広がる多様性

大学はすっかり夏休みという感じで学生もまばらです。研究室のRさんも出張と帰省をかねて欧州に旅立ちました。二ヶ月ほど帰ってこないそうなので、研究室も少し気が抜けた感じです。ということで、夏休み中はセミナーがないかと思っていたのですが、今日は臨…

ホワイトハウスみたいなもの?

暑い、という言葉を出したくなる気温になってきました。夜間の室温も30℃近くになっています。5月も終わりですが、7、8月になればもっと気温が上がるのかどうか、少し不安になってきました。ただし、同じ気温で比べると、湿度の違いか、蒸し暑いという日本の…

ウォーレスを苦しめたスラウェシの起源:陸塊の衝突

ウォーレス(Alfred R. Wallace)は、ダーウィンと同時期に自然選択説を提唱した博物学者として著名ですが、生物地理区である東洋区とオーストラリア区を分けるウォーレス線としても名を残している生物地理学者です。 彼は8年にもわたるマレー諸島の博物学調…

イグアナは 8000km の海を渡ったのか?

島のイグアナといえば、ガラパゴスのイグアナたちを思い浮かべてしまいます。ガラパゴスのイグアナたちの起源は最も近い大陸である南アメリカ大陸であると考えられています(ガラパゴスは南米大陸から約1000km西にあります)。実際、イグアナの仲間は現在、…

ハワイ諸島はつながっていたか?

他の陸地との結びつきのない海洋島では、海をこえた分散(dispersal)によって生物相が形成されます。しかし、海洋島でも、島間をつなぐ陸橋が途切れたり、また島が複数の島に分断(vicariance)されることもありえます。 ハワイ諸島を例にあげましょう。現…

分散/分断分布論争、再び:Dispersal vs Vicariance Debate Revisited

いくつかの生物群では遠く離れた大陸に分布するという隔離分布が知られています。例えば、マダガスカルのキツネザルは、化石としてインドに、近縁の原猿類はマレー諸島に分布しています。 ヴェゲナー(Alfred L. Wegener)は地図を眺めて、各大陸がパズルの…

大学の卒業式と夏休み

大学では先週末で試験は終わったようです。学部生たちは8月くらいまで続く長い夏休みに入ります。確かに最近は夏らしい気温の高い日々です。もちろん、教員や研究員の人たちは休みというわけではありません。 さて、本日土曜日はハワイ大学の卒業式だったそ…

ニューカレドニアも沈んでいた?

ニュージーランドと同様、ジーランディア(Zealandia)の一部であったニューカレドニアもまた過去に沈んでいた可能性があるようです。 ニューカレドニアといえば「天国にいちばん近い島」(森村桂著)として知られている熱帯の比較的大きな島です(16890km2…

ニュージーランド沈没説

過去の超大陸ゴンドワナは、プレートに乗って現在のアフリカ大陸、南アメリカ大陸、南極大陸、インド亜大陸、オーストラリア大陸などに分かれました。もともとゴンドワナ大陸に生息していた生物はそれぞれの島で絶滅したり、または独自に進化していきました…

ゲンゴロウの高い分散能力:海を泳ぐから?

ダーウィンはビーグル号での航海中、陸から数十km離れた海中でゲンゴロウやガムシといった水生甲虫が泳いでいるのを観察しているそうです*1。一般に昆虫が島に渡るには、大木などの天然の筏に乗るか、一気に飛翔することが重要でしょう。しかし、一定期間、…

バーベキュー

隣の研究室のポスドクのPさんがスイスに帰ってしまうので、送別会(BBQパーティー)がワイキキの東にあるカピオラニ公園で開かれました。 カラカウア通りを走ってワイキキを通り、ダイアモンドヘッドに向かいながら、水族館を過ぎたあたりで公園内に入りまし…

インフルエンザ発生や Ph.D. Defense

キャンパス内の学生寮で、いわゆる「豚インフルエンザ(swine flu)」が発生したそうです。といっても、今のところ大学が閉鎖されたり、授業がなくなるわけでもないようです。こういった情報は、大学からの一斉メールや日本総領事館からのメールで知らされま…

Boys' Day

熱帯夜の日々。台所で毎日ゴキブリを見かけます。日中も日差しが強く汗ばみます。ほとんど季節感はありませんが、そのぶんいつの間にか時間だけが過ぎてゆきます。 今日(5日)は子供の日でBoys' Dayとよぶようです(参考 Girls' Day)。ハワイでは日本の文…

両生類のいなかった島:カエルに食べられた鳥

今日のセミナーは、ハワイ固有の水鳥であるハワイセイタカシギ*の研究についてでした。 Wikipediaより セイタカシギですから、もちろん湿地に生息し、繁殖もそこで行われます。ふ化率は比較的高いにも関わらず、ヒナの死亡率が極めて高いようで、マングース…