2009-03-01から1ヶ月間の記事一覧

ハワイの珍奇なる虫たち(5)クモの笑顔もいろいろ

Happy face(ハッピーフェイス)を模したロゴマークというのがあります。日本でも、スマイルマークとして知られているかもしれません。 そのロゴマークそっくりの腹部をもつクモがハワイに生息しています。その名もハッピー・フェイス・スパイダー(Theridio…

WBC のこと

日本で盛り上がっているだろうWBCのことなど。 ハワイにはプロ野球チームもないので、近辺では盛り上がりは全くなし。ただ、ようやく米国と日本の準決勝になったあたりで、Bさんが話題にしてくれました。でも米国が負けてもいまいち悔しそうではありません(…

島で外来捕食者を駆除する時の注意点:‘Mesopredator Release’に関連して

一般に、開発などによって森林が孤立化したり断片化すると、真っ先に姿を消すのは、生息に比較的大きな面積が必要な最上位捕食者(大型捕食者で、トラとかピューマとか)であることが経験的に知られています。最上位の捕食者がいなくなることで、群集にはど…

緑の日

今日(3月17日)は St. Patrick's Day という祝日らしいです(でも休日ではない)。元々アイルランドの祝日らしいですが、米国では緑色の物を身につけて祝う日らしく、言われてみればなるほど、緑のTシャツを来た人を見かけます(でも全体のわずか数パーセン…

世界で最も研究されている外来種

一般に、経済的、衛生的、生態的に強い影響を与えている外来種ほど研究が行われやすいでしょう。しかし、外来種の中には、帰化したもののずっと低密度で生息しているものもあれば、急に爆発的に増え大きな影響を与えるものもあります。さまざまな外来種に関…

学生の発表練習

今日は午後から研究室の学部生(undergraduate student)による研究発表の練習がありました。二人の学部生がパワーポイントで作った発表を10分ほどやって、それぞれに先生と大学院生がコメントして修正していく作業でした。こういうのは、ほとんど日本の大学…

小笠原の外来種問題とその対策

何度かふれていますが、小笠原諸島は、ハワイ諸島と同じく海洋島で、多くの固有種が知られているとともに外来種による強い影響を受けています。ハワイに来る前に参加していたプロジェクトに関連して、「地球環境」という雑誌の特集号として、小笠原諸島の外…

失敗談:クレジットカード

こちらに来て毎日のように何らかの失敗をしでかしているのですが、たまにはそんな失敗の一つでも書いておこうと思います。 普段のスーパーなどの買い物では日本で作ったクレジットカードを使っています。しかし、Amazon.comなど国をまたぐ販売は別として、米…

マノアの滝

最近は梅雨のような天候でしたが、今日は久しぶり快晴で梅雨明けのような暑さでした。いつも机から眺めているマノアの谷も雲がかかっていません。マノアの谷の奥には大きな滝があるそうで、一度訪れておこうと昼食後出かけてみました。自転車*と徒歩で訪れ…

気になるリジェクト率

論文をどの雑誌に投稿しようかと考える時、 (1)雑誌のインパクトファクター(Impact Factor;以下IF)* (2)雑誌の投稿数に対するリジェクト率(Rejection Rate:投稿論文数のうち掲載を断った論文数の割合) (3)雑誌の論文審査のはやさ が気になる…

アッテンボローの魅力:カメラのシャッター音をマネる鳥

先日何かの話の中で、Rさんがあのアッテンボローに会ったことがある、ということを伺いました。 Sir. David F. Attenborough は、英国の有名プロデューサーで、BBCで多数の自然番組を手がけ、自身がその番組にも登場しているので、実際にテレビで観たことが…

島が大きくなると外来種数も増える

生態学にもいろいろな法則が知られていますが、たいていはその法則の是非について議論があるものです。しかし、その中でも、 「島の面積が大きくなると種数が増加する。」 という島の面積と種数の関係(Island Area - Species Numbers Relationships)は、誰…

ハワイの珍奇なる虫たち(4)羽を失ったハエ

ハワイやガラパゴスのような海洋島では、しばしば羽が退化して飛ばなくなった鳥が知られています。ハワイクイナ、ガラパゴスのコバネウ、モーリシャスのドードーなどなど。昆虫にも、本来は飛翔能力が高いグループなのに飛ばなくなった種が知られています。 …

こちらにきてすでに4ヶ月がたってしまいました。いろんなことが全く進展していません。当分は進展の予感もありません。海外ですぐに結果を出している人は本当にすごい人なんだと思います。 しかし、そんな状態でも落ち込まないのがハワイの良いところかもし…

やっぱり気になる年齢?:研究職の定年

最近ふと感じること。 米国では人に直接年齢を聞いたりしない、と思っていましたが、結構聞かれます。私は外国人だし、男だし、アジア系はたいがい年齢不詳に見えるし、(ポスドクにしては)若そうに見えるし、(英語話せないし)、ということがあるのかもし…

泳いで海を渡るネズミ

本来分布しないはずのネズミが人間の活動を通じて侵入し、島の生物相や生態系に与える影響は深刻です(参考)。ネズミ類は、在来植物の種子を食害し更新を妨げたり、在来鳥類の卵やヒナ、また昆虫、陸貝を捕食したりします。また、島に限らず、ネズミ類は悪…

Girls' Day

今日(ハワイはまだ3月3日)は 「Happy Girls Day! 」と言って、研究室の Girls があめ玉やお団子をくれました。最初なんのことかわかりませんでしたが、ひな祭りのことでした。ハワイは中国系、日系などアジア系が多いので、アジアの文化が溶け込んでいるよ…

生物的防除が落とした影(2)ハワイの導入寄生蜂

アフリカマイマイ防除のために放ったヤマヒタチオビが、固有カタツムリたちを滅ぼす結果になったことは一つの悲劇でした(生物的防除が落とした影 1)。 ハワイは、害虫にとって天敵がいない天国のようなところですから(天敵解放仮説)、その農作物への被害…

島へやってくる4つの方法

これまで、島への生物の侵入方法については詳しい説明は行ってきませんでした。考えてみれば、ガラパゴスにいる大きなイグアナやゾウガメの祖先たちはどのように島にやってきたのでしょうか?かなり不思議です。 大陸から遠く離れた島に、どのように生物がや…