2010-02-01から1ヶ月間の記事一覧

ハワイでの津波警報

チリの大地震の影響で、27日の早朝からサイレンが何度もなって、普段は海に関心がないのですが、このときばかりは流石に津波の動向に注意がいきました。テレビの中継で見る限りは、ワイキキを含む多くの海岸域では立ち入りが禁止されていました。ただ、海に…

外来植物の島嶼生物地理

島の面積とともに種数が増加する(参考:島面積と種数の関係)。また、島が本土(Mainland)から遠ざかる(隔離度が増す)につれ種数が減少する。これは、絶滅率が島の面積とともに減少すること、そして移入率が島の隔離度とともに減少することによって説明…

電子付録をいまいち楽しめない理由

雑誌につく付録といえば、なんだか楽しいものを思い浮かべてしまいます。 学術論文にも付録があります。といっても、いわゆる付録ではなくて、各論文についている参考資料(補遺:supplement / materials)のようなものです。生態学の論文だと生物種のリスト…

ホットスポットとは

ナショナルジオグラフィック ニュースから 南硫黄島沖の海底火山:火山島 南硫黄島沖の海底火山:噴煙 南硫黄島沖で海底火山が噴火しているらしい。北硫黄島、硫黄島、南硫黄島は、火山列島と呼ばれるように、比較的最近の火山活動で形成された島です。もし…

島面積と種間相互作用の関係

大きな島には、小さな島よりも多くの種類の生物が生息しています(参考:島面積と種数の関係:メカニズムのまとめ)。外来種もまた大きな島には持ち込まれやすく定着しやすい可能性が指摘されてきました(参考:島が大きくなると外来種数も増える)。つまり…

オオコウモリによる種子散布:密度が減ると機能しない

種の絶滅は、その果たしていた生態系機能が消えてしまうこと意味しています。しかし、実際には生態系機能の消失は絶滅する前から起こっています。 熱帯、亜熱帯域に分布するオオコウモリ類(Fruit bats)は、植物の種子散布に重要な役割を果たしていると考え…

群集の入れ子構造

大きな箱の中に小さな箱が、そして小さな箱にはさらに小さな箱が入る構造を「入れ子」と呼んでいます。大きな箱の中には小さな箱がたくさん入ります。 箱を生物種からなる群集と考え、群集の部分集合が集まり大きな群集集合を形成していると捉えると、野外の…

生物学おすすめ読み物

今日のセミナーは、生物学を専攻する学生のための書籍の紹介という内容でした。教科書を一冊丸ごと読むことはほとんどないでしょうが、一般向けに書かれた科学書(いわゆるポピュラーサイエンス)は一冊通して読むことを前提に書かれています。そこで、その…

核実験によるサンゴの絶滅

生物個体群が絶滅する要因として、人為的な撹乱が近年大きなものとなっています。人為的な撹乱の中でも、もっとも大きなものとして核実験があります。 1946年にビキニ環礁で行われた原爆実験(US Federal Government: Wikipedia より) ビキニ環礁(Bikini A…

論文の別刷りは消えていく・・・?

投稿した論文の出版が決まった後に、出版社に注文しておくと、自分の論文のページだけが印刷されたものを冊子として何部でも購入することができます。これを「別刷り(抜き刷り:offprint)」と呼んでいます。 この別刷りを購入するというのは、研究者の間で…

アリのいなかった島(3)花外蜜腺を失った植物たち

アリは高緯度地域から低緯度地域にゆくに従い、種数だけでなく個体数も多くなっていきます。アリはシロアリと並び、熱帯の動物バイオマスの大半をしめる優占種です。アリの増加とともに、熱帯ではアリと共生関係をもつ植物が多くみられるようになります。そ…

IUCN / SSC 専門家グループのニューズレター

研究室のRさんが一人で編集しているIUCNの軟体動物専門家グループのニューズレターが発行されました(フリーでPDFをダウンロードできます)。毎年この季節に出すようですが、いつも豊富なカラー写真や図が満載で、カタツムリ好きの人には楽しめる内容です。…