ホットスポットとは
ナショナルジオグラフィック ニュースから
南硫黄島沖で海底火山が噴火しているらしい。北硫黄島、硫黄島、南硫黄島は、火山列島と呼ばれるように、比較的最近の火山活動で形成された島です。もし今回の噴火によってマグマが吹き出て海上に姿を表せば、小さな島が形成されるでしょう*1。このようなマグマの吹き出る地点はホットスポット(Hot spot)と呼ばれています。ハワイ諸島も、現在ハワイ島沖にあるホットスポットから噴火物でできた島たちです(参考:ハワイ諸島形成史)。
新しく海上にできた島には陸上生物が全く住んでいません。ここに最初にたどりつく生物は何か、非常に興味深いテーマです。ちなみに有名なクラカタウに最初にたどりついた生物はクモだったそうです。クモには羽がありませんが、糸を吐いてこれが風に流されて遠くに移動することができるのです(バルーニングと呼ばれる)。
ところで、ホットスポットという言葉は、他にもいろいろな使われかたをします。例えば、生物多様性のホットスポット(Biodiversity hotspot)といえば、「固有種が集中して分布しているにもかかわらず、極端に生息地が消失しつつある地域」を示します。地球レベルの種の多様性を保全するには、生物多様性のホットスポットを特定し保全すれば最も省力的というわけです。
ウェブサイト
Wikipedia
ホットスポット(地学)
ホットスポット(その他の使われ方)
文献
Reid WV (1998) Biodiversity hotspots. Trends in Ecology and Evolution 13: 275-280.
Myers N et al. (2000) Biodiversity hotspots for conservation priorities. Nature 403: 853-858.