2010-09-01から1ヶ月間の記事一覧

ハワイのキウイ:盲目のカモ?

ニュージーランドの飛べない鳥キウイは、夜行性で視力はかなり弱く、嘴の先端にあるセンサーを使って餌を探してるそうです。そんな奇妙な習性をもつ鳥が、ハワイにもかつて生息していたのではないか、というお話です。 ハワイ諸島は、世界でも最も多くの種の…

陸生のヒモムシ

「むし」と聞けば、昆虫やムカデ、ダンゴムシといった節足動物を思い浮かべる人が多いでしょう。実際、最も種数が多いグループですし、陸上で目にする虫のほとんどは節足動物(門)です。しかし、他にも「むし」と呼ばれる動物門がたくさんいます。 その一つ…

侵入のパラドックス:在来種数が多いほど場所ほど外来種数も増える?

さまざまな地域間で比較すると、在来種数が多い場所ほど外来種数も多い傾向があることが知られています。あれ?在来種が多い群集ほど外来種は侵入・定着しにくいのではなかったのでしょうか。実は、在来種数と外来種数の関係は複雑で、どの空間スケールでみ…

外来種は種多様性を高めていますか?

ありがちな質問として、 「外来種は種多様性を高めているんじゃないでしょうか?」 というのがあります。実際、以前に紹介したように島嶼部では外来植物の増加によって本来の種数の二倍にもなっています(参考:島で植物の種数は二倍になる 1、2)。 種多様…

新種のオドリバエにみられる珍奇な前脚

英国王立協会の速報誌 Biology Letters にて新種記載されたオドリバエの前脚が謎めいていておもしろい。 オドリバエ科(Empididae)といえば、成虫は捕食性で、オスは餌(小昆虫)を捕まえ、それをメスにプレゼント(婚姻贈呈)して交尾するというちょっとキ…

陸生のウズムシ:最強の外来種?

プラナリア(ウズムシ綱 Turbellaria)は生物の教科書に頻出するため一般にもよく知られた扁形動物(Platyhelminthes)でしょう。体の一部を切断しても、その切断片から一つの個体に再生可能なことで知られ、このため生物実験によく使われているわけです。 …

島固有の捕食者がもたらす生態系サービス

昨今「生態系サービス(ecosystem service)」という用語が一般的にも普及しつつあります。生態系が保持している機能から人々がいかに恩恵をうけているかを定量的に査定したものです*1。 島の固有種が生態系サービスを提供しているかもしれないという興味深…

扁形動物の社会性:吸虫の兵隊カースト

ミツバチやアリなどの社会性ハチ類、そしてシロアリ類では、自らは繁殖しない階級(カースト)の存在が知られています(参考:真社会性)。例えば、ミツバチのワーカーは餌をとり幼虫の世話をしますが、自らは繁殖しません*1。繁殖するカーストとしないカー…

論文の再査読

論文を投稿して査読者によるコメントをもとに編集者がその掲載の是非を検討するというのが、ピア・レビュー(peer review)と呼ばれるシステムです(参考:査読という仕事 / 査読コメントが辛いわけ)。 論文の掲載が断られなかった(リジェクトされなかった…