昆虫学会の支部会
先日の日曜日、久しぶりに昆虫学会の支部会に参加してきました。
京都にいる時は毎年のように支部会に参加していたのですが、関東地方に移ってからは参加したことがありませんでした。ちょっと遠い場所で開催されていたのと、いろいろ忙しかったからです。
今回は帰国したてでちょっと時間があったし、久しぶりに日本の昆虫学における刺激が欲しかったので、はりきって参加してみました。
生態学を勉強していると、各研究のストーリー性とその妥当性ばかりを気にしてしまいがちです。しかし、ストーリーがなくても、中途半端でも、研究に含まれるちょっとした現象や逸話にも実はユニークな研究へのきっかけがあるものです。そういう意味で、支部会というのは、予備データに基づくようなちょっとゆるい発表が多いのですが、妄想たくましく楽しく聴けるのが良いと思っています。あと、同じ部屋でずっと聴いていられるのも良いところ。
支部会は午後からはじまり、十数題の発表がありました。カエルキンバエの食性、スズメバチ類の越冬行動、ハマベゾウムシの生物地理、ジョウカイモドキの雄に出現するexcitator(雌を誘因する器官)、近年関東地方に定着した外来種アカボシゴマダラの生態などが特に興味が惹かれました。
もちろん、私もゆるい発表をしました。とくに自身の研究というよりも、ハワイの興味深い虫たちを紹介しました。この2年ほどここで紹介してきた「ハワイの珍奇なる虫たち」のことです。
せっかくなので以前書いたものをまとめておきます。
ハワイの珍奇なる虫たち(1)肉食しゃくとりむし
ハワイの珍奇なる虫たち(2)網を使わず爪で狩るクモ
ハワイの珍奇なる虫たち(3)カザリバガの驚くべき生態と多様性
ハワイの珍奇なる虫たち(4)羽を失ったハエ
ハワイの珍奇なる虫たち(5)クモの笑顔もいろいろ
ハワイの珍奇なる虫たち(6)葉にもぐるガガンボ
ハワイの珍奇なる虫たち(7)陸生のヤゴ
ハワイの珍奇なる虫たち(8)樹上に進出したヨコエビ
‘Hawaiian Blue’ に出会えた日
カメハメハチョウの巣作り
ハワイのファイトテルマータ
15分以内の発表だったので、駆け足での紹介になってしまいました。
その後は懇親会に参加し学生さんらと少し話して帰途につきました。語学にハンデがなく、思う存分研究や虫の話をできる喜びを感じました。