予備データの重要性

 今日は、研究室のアシスタントによる内輪向けのセミナーに参加しました。お昼時ということで、ピザに加えてビールまで振る舞われました。平日のお昼からビールを飲むという発想がすごいなあとは思いつつ、私は辞退しましたが(教員もさすがに飲んでなかった)。


 アシスタントの人が自らやっている研究テーマ(博士課程の研究)と、研究プロジェクトのテーマ(ここから給料が出ている)の両方を発表していました。あまりに違うテーマなので無理矢理一つの発表に押し込んでいるのに違和感がありましたが、いろいろな生物が出てくるのは大好きなので私的にはOKです。いつもの大所帯のセミナーとは違って、よく見知っている人の中だったので、疑問に思ったことを質問することもできました。


研究室のプロジェクトのテーマは、近々新たにNSF(米科学財団)の研究費に申請するらしい。かなりおもしろい結果だったのですが、未発表データとのこと。どうも、NSF などの研究費に申請する書類には、予備データ(Preliminary data)の提示が極めて重要だそうです。論文として発表してしまうと、予備データとはみなされないので、発表のタイミングはなかなか難しいものだと感じました。


予備データを十分にとって研究費を申請し、採用された後に予備データをもとに重厚な研究を完成させ論文として発表する。そして、新たに次につながるプロジェクトのために予備データをとる。このような流れが重要なのでしょう。


 そういえば先日、近くの研究室の教員が、はじめてNSFの研究費を獲得したらしい。Scienceをはじめ一流の雑誌に論文を発表している人だけれど、数年出し続けて初めて採用されたので、かなり厳しい競争があるようです。


 以前、求職中の研究者にとって、米国でのポスト獲得には何が重要かと聞いたら、「Nature、Science、NSF」という返事をもらったこともありました。