オアフ島のコアホウドリ:メス同士の子育て?

 土曜日はBさんらにオアフ島の西端のKaena Point付近まで連れて行ってもらいました。

 当地周辺では、毎年、コアホウドリが数十ペア繁殖する場所として著名で、繁殖はまだのようでしたが、すでに成鳥はやってきていました。ま、オアフ島(Oahu)とコアホウドリ(Laysan albatros)で検索すると山のように画像が出てくるでしょうから、詳細は検索してみてください。興味深いのは、Bさんがこれらの鳥はレズビアンなんだぜ、と言ったことです。ごく最近、ハワイ大学の院生らが興味深い発見をしたようです。

 コアホウドリは毎年一度繁殖し、そのとき、オスとメスがペアを組んでヒナを育てるのが一般的だ。しかし、もともとコアホウドリのオスとメスは見分けがつきづらい。そこで、2004年から2007年にかけてオアフ島で巣をつくっているペアのDNAサンプルを用いて、慎重に性別を調べた。すると、なんと、125ペアのうち31%もがメス同士だったのだ。全体ではメスが59%と、性比はメスに偏っていたようだ。メス同士のペアは、通常のオスとメスのペアよりも育てたヒナの数は少なかった。しかし、2年以上にわたってペアをくんだメス同士では、育てたヒナはどちらかの子であったため、両方に繁殖機会があったようだ。個体群内で性比が変動する時、全く繁殖しないというよりも、メス同士で協力してどちらかの子を育てるのは、代替戦略の一つとして有効だろう。


Young LC, Zaun BJ, VanderWerf EA (2008) Successful same-sex pairing in Laysan albatross. Biology Letters, 4, 323-325.


レズビアンとは違いました。が、ヒトの視点から興味深い事例のようで、ハワイの新聞をはじめ、いろいろなメディアにとりあげられているようです。
 


 しかし、そんなハワイのコアホウドリたち海鳥も外来動物(イヌ、ネズミ類)による強い影響を受けているようです。直接襲われてしまうんですね。ネズミの完全駆除はけっこう難しく、イヌ(ネコ)の駆除は愛護的にも難しい、など、ハワイや小笠原などの島々では同様な問題が山積みなのです。