御器被(ごきかぶり)

 日本には、カタツムリを食べるマイマイカブリという甲虫がいます。「マイマイ(カタツムリ」を食べるときにその殻を被っているように見えることから、「マイマイカブリ(蝸牛被)」という名前ができたようです。


同様に、ゴキブリも「御器(ごき:食器)」を被ったり、噛ったりしていることから「御器被り・御器囓り」と呼ばれるようになったそうです(Wikipedia)。しかし、ハワイに来るまでは、その由来にはあまり実感がありませんでした。


 ハワイにはもともと在来のゴキブリはいなかったそうですが、本来熱帯に種数や個体数が多いので、年中温暖なハワイでは外来種としてどこの家庭にも普通にみられる虫の一つでしょう。冬の間はそれほどではなかったのですが、4月頃から毎日のように台所で見られるようになり、特に洗った食器には多く這っているのを見かけます(よって再度使う前に洗わざるを得ない)。最近では食器といえばゴキブリを思い出すようになって、「ゴキカブリ」という由来も納得です。


うちの部屋にいるのは、いわゆるチャバネゴキブリで、世界中に広がった外来種です。トラップ(ゴキブリホイホイ)をしかけているのですが、そこそこの数は捕獲されるものの、個体群に与える効果はうすいようです。特に生まれたばかりの若齢幼虫(5-10mm)がどんどん追加されているような印象です。見かけたら直接手でプチプチと殺していますが、それが毎日のように続いています。


 以前発生したアリの方は、薬剤入りベイトをコロニーに持ち込ませることで根絶に成功したのですが、社会性をもたないゴキブリの場合はなかなか大変そうです。日本だと燻蒸するのが一般的ですが、ハワイでは隙間だらけの部屋が多いので、近所迷惑にならないかと少し心配で未だ実行していません・・・。


 ちなみに、Wikipedia によれば、「ゴキカブリ」→「ゴキブリ」へは、辞書の誤植によって定着してしまったようです。個人的には「マイマイカブリ」という虫と名前が好きなので、「ゴキカブリ」の方が良かったように感じます。