ハワイのエスカルゴ

 久しぶりにハワイの外来生物についての話題でも。


 ハワイの低地は年中温暖な熱帯地域に属するわけですが、オアフ島でも最高1000m、マウイ島で最高3000m、ハワイ島では最高4000mをこえる山があります。つまり、山にいけば熱帯というよりも温帯に近い気温になります。熱帯の山地の気候は、寒い冬がないので年中安定した穏やかな気候です。



マウイ島高地の農園(温帯の外来種が多い)


 したがって、ハワイの山地帯には温帯からやってきた外来種が多数生息しています(参考:温帯からやってきた外来種)。その中でも、西ヨーロッパからやってきたリンゴマイマイHelix aspersa)に注目したいところです。というのも、フランス料理で有名なエスカルゴ(フランス語でカタツムリという意味)は主にこのリンゴマイマイおよびその近縁種のカタツムリを使っているからです。



リンゴマイマイ(属名のHelixは、英語のらせんhelixと同じ綴り&意味なのでヒーリックスと発音する人が多い)


食用に使われるカタツムリですから、世界各地に導入され野生化してしまっています。カリフォルニアでは農園の害虫となってしまっているほどです。


ハワイでも導入され逃げ出したものが定着しており、マウイ島の高地の農園には比較的多く見られました。


 そんな食用目的で流通しているリンゴマイマイですが、最近ではまた違った利用方法があるようです。なんと、リンゴマイマイの粘液を原料にして化粧品(お肌ケア薬品の一種)を作っているのです。


 日本でもすでに販売されているようです(参考:エリシーナ・プラス)。


 もちろん食料としても、化粧品の材料としても、ハワイのリンゴマイマイが使われているわけではありません(本土で大量に飼育され生産されていると思われます)。