本土の大学からやってきていたインターンシップの学生が先週帰っていったそうです。2ヶ月くらいの滞在で、がんばって実験していたのが印象的でした。
せっかく実験するのだから学術論文としてまとめたらいいいのにと内心思っていたのが通じたのか、先生がけっこうやる気になって彼らの滞在中に論文をまとめてしまいました*1。実験設定について、いろいろと口を出していたのが火をつけたのかもしれません。それにしても、私の拙い英語は学部生には通じず、いつも間に入って通訳される(日本人英語→ネイティブ英語)のはちょっと情けない気分でした*2。
調べたら日本でも最近は夏休みを利用したインターンシップというのがけっこうあるようです。自身が学部生の頃はそんなのがあった覚えがないのですが、最近の流行なのかもしれません。
米国の研究室だと、インターンシップの学生に限らず、学部生(undergraduate student)がアシスタントとして実験を手伝っていることがけっこうあるようです(ボランティアの場合もあれば、給料をもらっている場合もあるようです)。研究室の業績の中にも、「これは学部生による論文だ」といったような注釈をしばしば目にします。つまり、学部生にも論文を書かせた、というのが一つの教育業績についてのアピールになっているのかもしれません。
論文の著者順は、実験を行った学部生たちが第一著者、第二著者、そして最後に責任著者として先生が入っているのをよくみます。今回もその予定だったようですが、学部生は第一著者を辞退したそうです。で、結局先生が第一著者と責任著者を兼ねて論文を書いてしまいました。学部生は、本当に素直で、言われた通りに真面目に実験していたし、論文としてまとめまることをとても喜んでいました。先生が実験設定をして論文も執筆したので、第一著者になるのはあたりまえかもしれません。しかし、うがった見方をすれば学生にデータだけをとらせて論文を書いるようにもみえます。
もちろん、学生と教員の両方がハッピーであることが一番だろうし、今回はそういう気遣いがあったことに注目したいところです。
オーサーシップ(論文の著者のこと)は研究者にとってちょっとした関心ごとの一つでしょう。