海外からのアウトリーチ?

 最近の科学研究費に対する厳しい情勢なのか、海外に滞在する研究費にもアウトリーチ活動というのが求められているようです。義務ではないようですが、報告書には論文や学会発表などの業績の他に「アウトリーチ活動」の結果を書くよう求められているわけです。そこに記されていたアウトリーチ活動の定義を引用しますと・・・


 アウトリーチ活動とは,単なる情報発信という考え方を超え,人々に対してわかりやすい言葉で研究内容や成果を伝え,科学技術を振興する側と享受する側が親和的・双方向的に向き合い対話していく活動である。「アウトリーチ」は,「手を差し伸べる」という意味。


例:一般の人々や子ども,教員を対象とした公開シンポジウム,オープンキャンパス,研究室公開,出前講義,実験教室,研修,サイエンスカフェ


「平成17年6月27日 調査研究協力者会議『科学技術理解増進政策に関する懇談会』配付資料より」


 研究費は日本の税金をもとにしているので、対象となるの(享受する側)は日本の人々ということになるでしょう。つまり、海外にいながらにして(日本に帰国、滞在する日数の制限がある状態で)、いかにアウトリーチ活動をしていくのかという難題です。


 とりあえず、研究内容やその近辺にある科学的背景をわかりやすく解説するのを目的の一つとしてこのようなブログを綴っているわけですが、上の定義にあるような「親和的・双方向的に向き合い対話していく活動」というのには程遠いでしょう。


 体調不良で書くのを失念しておりましたが、先日、日本のラジオに電話出演する依頼がありました(スカイプ・アウトを使用)。考えてみると、これもアウトリーチ活動の一つなのかもしれせん。


しかし、自身の研究成果を普及するというよりは、ハワイの気候やカタツムリのことを一般的に紹介するというもので、上の定義にあるような厳密なアウトリーチとは違う気もしてきます。なかなか難しいものです。


NHK地球ラジオ
2010年6月12日(土)放送
質問内容:どんなカタツムリがいますか?