共著論文のチェック

 先日、とある論文についてネイティブに英文校閲をお願いした件を書きました。


 今回は、二人のネイティブに原稿のチェックをお願いしました。共同研究でしたので、英文の校閲だけでなく研究内容に沿った改訂もしてもらいました。まず一人目に送ったら、翌日に返ってきました。そして改訂したものを二人目に送ったら、これまた翌朝に返ってきました。これまた驚くべきはやさでした。深く感謝いたしております。


今回は短い記載的な論文でしたし、共著者の一人はしばらく長期出張に出られる前だったという要因もあるでしょう。それにしても、共著論文をチェックするスピードというのはどういった要因で決まるのか、しばしば考えさせられるテーマです。


私のまわりには、通常、1週間以内でコメントを返してくれる人が多いのですが、時に1ヶ月、また数カ月も原稿を返してくれないシニアの研究者がいるという噂をしばしば耳にします。もちろん、日本の研究環境は厳しく、出張やさまざまな雑用があるため、他人の論文を改訂する時間が十分にないのかもしれません。とはいえ、忙しい人の中にも、すぐに論文をチェックしてくれる人もいるというのも事実でしょう。長い時間をかけても、良い改訂案をだしてくれるなら良いのですが、必ずしもそうではない場合もあると聞きます。


なぜ論文をなかなかチェックしてくれないのかと問うと、ちょっと誤解を受ける表現になってしまうかもしれません。逆に、なぜ素早くチェックしてくれるのかを考えてみる方がポジティブかもしれません。

  • 論文の内容に非常に関心がある
  • 主著者の研究進展に協力的である
  • 論文を研究の最も重要な業績の一つだと考えている


 もちろん、論文の内容や草稿の出来具合にも大きく左右されるかとは思います。とはいえ、共著者の共同研究、つまりそのプロジェクトに対する取り組み方が反映されているような気もします。また、論文を重要な業績と考えるほど、共著を自身の研究の一部として考えたり、主著者の業績に貢献したいという思いが強くなるような気もします。


しかし、実際は共著者のすべてが、論文内容に関心があるわけでも、詳しいわけでも、すべてを理解しているわけでもないでしょう。そういった場合、いきなり草稿を読んでもらう前に、図表などを使って簡単な内容の紹介(プレゼン)をして、おおまかな内容をつかんでもらうのは有効だと思います。


ただし、忙しい共著者の方々に催促するのはかなり精神的に疲れる作業で、私自身うまい解決策をもちあわせているわけではありません。