テニュアトラックではないポジション

 (米国の)大学教員におけるテニュアトラックという制度、つまり採用数年後に審査があってこれに認められればテニュア(永久在職権)が与えられるというものです。このテニュアトラックへの募集自体がかなりの競争があるのですが、その後の審査も非常に厳しいと聞きます。審査には大学外部の同分野の研究者にも書類を審査してもらうという徹底ぶり。


また、テニュアトラックではないポジションもあるということを知りました。つまり、大学外から給料込みの研究費を獲得していれば教員としてのポジションを維持できるというシステムです(一応Facultyとなり、Postdocとは違うようです)。しかも、給与元が大学ではないにもかかわらず、大学での昇進審査(assistant→associate→full professor)もあるということです(昇進にしたがい何パーセントか給与が上昇)。もちろんこの審査もテニュアトラックと同様外部審査があります。


 そういう事情があるのかどうかはわかりませんが、知り合いの人と一緒に雑誌のEditorial Boardを眺めていると、曰く「この人の所属している(米国の)大学は良い大学だ」とか、けっこう大学名を基準に評価しているような気がします(超有名人の場合は別)。いわゆる有名大学は給与も高いし、そこでのポジションを維持するのは大変なので、割とはっきりとした大学の格付けというのが意識の中にあるのかもしれません。


 そんな不安定なポジションだとやはり不安はありそうですが、ハワイだからなのか(?)、皆それほどあくせくと身を削りながら研究しているという感じではありません。暗くなる前には帰るし、土日は休んでいますし。