ゴキブリのいない島:ハワイの節足動物目録

 クリスマスをハワイで過ごすとは、去年までは全く考えてもみませんでした。この季節になっても、相変わらず温かいままです。夜間、気温を測ったら、部屋の中で25℃ありました。いわゆる熱帯夜です。しかし、気温から感じるほどの暑さは全くなく、夜風は涼しいくらいです。やはり、ハワイが人気であるのは、この気候のおかげなのでしょう。しかし、この快適な気候は、人間ばかりでなく、ゴキブリやアリなど、屋内に生活する昆虫たちにとっても同じことです。虫たちは、季節にかかわりなく、走り回っています。

 ということで、今回のタイトルは嘘です。というよりも「ゴキブリのいなかった島」とすべきでしょう。ハワイ諸島には、これまで21種のゴキブリ目(Blattodea)に属する種が記録されていますが、いずれも元々ハワイにいた在来種ではないようです(もちろんシロアリも)。多くは、人間とともにやってきた外来種です。

 ハワイ諸島では、これまで記録された昆虫を含む陸上節足動物の種類がまとめられ、そのstatus(固有、在来、偶発的移入、意図的な移入、検疫での記録、意図的な移入後定着せず、不明)が詳細に推定されています。それらは、ビショップ博物館のデータベースを使って調べることもできます。

文献
Nishida GM (2002) Hawaiian terrestrial arthropod checklist. Bishop Museum Technical Report No. 22. 313pp.

ビショップ博物館のデータベース
http://www2.bishopmuseum.org/HBS/checklist/query.asp?grp=Arthropod



研究室の机から見えるマノアの風景
(運動場とプールは隣の私立高校)