日本語論文のオープンアクセス

 去年末に日本生態学会誌で出版された特集記事「種間相互作用の島嶼生物地理」はオープンアクセスになっています。


日本生態学会誌 62巻3号
http://ci.nii.ac.jp/vol_issue/nels/AN00193852/ISS0000485113_ja.html


オープンアクセスというのは、学術論文を誰もが無料で閲覧可能な状態になることです。海外の雑誌ばかりでなく日本語論文でも最近はその取り組みが盛んです。やはり税金で多くの研究費がまかなわれていることを考えれば、出版された論文(情報、知見)は専門家以外の人たちにも無料でアクセス可能な形になっておくのは大事なことだと思います*1


日本生態学会誌では、出版後CiNii上にてオープンアクセスになるのですが、これまでは論文を画像PDFとしてダウンロードできる形でした。しかし、編集長らの努力で、最近は文字検索が可能なOCR(テキスト認識)形式でダウンロードできるようになって大変便利になりました。自分で書いた論文がきれいなPDFでダウンロードできるようになるのは嬉しいものです。


また、日本生態学会誌では、編集長がウェブを通じて各号の紹介も行われています(編集長からのメッセージ)。編集後記のようで良い取り組みだと感じます。


参考文献
時実象一 (2005) 電子ジャーナルのオープンアクセスをめぐる議論と対立論文. 情報社会試論 10: 80-92. (PDF:53KB

*1:米国ではNIH(米国立衛生研究所)の研究費を使った成果(論文)はすべて発表後1年以内に公衆に無料でアクセスできる状態にすることが義務化されています。