オサ掘り

 お正月は関東地方らしい良い天気でした。初日の出は九十九里浜で迎え、この海の遠く先にハワイがあるのかあと思ったり。


 せっかくなので、新年早々オサ掘りをしてきました。「オサ掘り」というのは、晩秋から初春の間に、土中や朽木中で越冬中のオサムシを掘り出す採集方法のことです。オサムシ以外にもゴミムシ類もよく採れるので、個人的には「ゴミ掘り」と呼ぶことも多いです。



土中で越冬していたマイマイカブリ


 先日論文を紹介したマイマイカブリを早速掘り出しました。やっぱりでかいオサムシは迫力があります。ハワイといった海洋島にはこういう大きなオサムシは全く分布していませんから(でも、日本のマイマイカブリアフリカマイマイ退治のために移入されたことがあったようで、定着はしていないけど、ハワイに標本としては残っていました)。


 せかっく房総半島まで来たということで、キイロホソゴミムシも一応チェックしてみました。本種は、海岸のヨシ原にのみ生息するという興味深いゴミムシです。一時期は内房の限られた地域にしか生き残っていない絶滅危惧種と考えられていた本種も、最近では、千葉の内房だけでなく外房(太平洋側)、そして東京都や神奈川県でも見つかっているようです。



キイロホソゴミムシ


 この寒い季節にもかかわらず、キイロホソゴミムシはヨシの枯葉やゴミの下などで普通に見られました。他のゴミムシのように土中や朽ち木で越冬しているという感じではありません。ちょっと不思議なゴミムシです。