被子植物の未記載種数の推定

 熱帯の節足動物の未記載種の多さを紹介したわけですが、ちょうど被子植物の推定種数についての論文が英国王立協会紀要に出版されています。

 
 これまでの期間記載されてきた努力量を考慮したモデルで推定を行い、専門家の推定値をと比較して検討しています。結果、最終的には今の種数のおよそ10〜20%の種数が増加するということです。 


被子植物の推定値


単子葉植物
既知種:69323種
推定種数:80901種(最小ー最大:78573ー81879種)

残り種数の割合:14.3%(11.8ー15.3%)


単子葉植物以外(一部)
既知種:49481種
推定種数:55828種(最小ー最大:55140ー56289種)

残り種数の割合:11.4%(10.3ー12.1%)


合計
推定残り種数:17925種(14909ー19364種)
合計残り種数の割合:13.1%(11.2ー14.0%)


論文
Joppa LN et al. (2010) How many species of flowering plants are there? Proceedings of the Royal Society B, online published.


 熱帯の節足動物はまだ66〜77%の種が未記載のまま残っているという推定に対して、被子植物は11.2〜14.0%の種が残っているそうです。節足動物に比べるとコンプリートまであと少しという気がしますが、実際にはまだ何十年もかかるのでしょうか。