先祖はどこの国からやってきた?

 先日、とある生物のサンプルのミトコンドリアDNAを増やしてシークエンスした結果を、データベースにかけてみるとHomo sapiens と一致してしまいました。つまり、ヒトのDNAを間違って増やして解析してしまった、いわゆるコンタミになるのですが、これを詳しく分析すると、フランスのとある地方の集団にゆきつきました。で、Bさんが、冗談で、「フランス人の血が混じっている人?」っと学生たちにたずねると、とあるアジア系の学生の母方がフランス系ということでした。他の学生も、ドイツ・イングランド、中国・フィリピン・メキシコ、中国・朝鮮・日本・沖縄*といった多様さ。つまり、たいていの人は祖父母くらいまでたどれば、さまざまな民族(国)の人を祖先にもっていることがわかるわけです。


ハワイではこの100年で多くの移民を受け入れてきたことを考えれば不思議なことではありません。もちろんアメリカ本土出身の人もしかりです。むしろ、私自身の祖父母はすべて日本の一地域(大阪)出身であることの方が、不思議と思われるかもしれません。


 ところで、社会保障番号Social Security Number)を取得する時だったか、その申請書類を書くときに、「人種・民族」という以下の選択項目がありました。

  • アジア系 Asian, Asian-American or Pacific Islander
  • ヒスパニック系 Hispanic
  • 黒人系 Balck (Not Hispanic)
  • インディアンまたはエスキモー North American Indian or Alaskan Native
  • 白人系 White (Not Hispanic)


これってやっぱり肌の色に基づくものなんでしょうか。


米国初のアフリカ系黒人大統領になったオバマさんだって、お母さんは白人女性なわけです。上記に述べたように、一見アジア系に見える人でも、白人系、ヒスパニック系の祖先を持っている人は多いのです。


*ちなみにハワイでは、沖縄と日本は分けています。Okinawa English Dictionary があるくらいです。昔の沖縄からの移民も多くいるからでしょう。ハワイもアメリカ本土とは分けて考えられることが多いのと同じかもしれません(両者ともかつては独立した王国であったわけですから)。