待つこと

 最近は、インターネット上にファイルをアップロードするだけで論文を投稿できてしまいます。数年前には、論文原稿を2,3部プリントアウトして編集部に郵送していたことを考えるととても便利になったものです。しかも投稿した論文の状況は、インターネット上で逐一確認することができます。「編集者がチェックしているな」「ようやく査読者に回ったな」「今編集者が判断をしようとしているな」などなどと。しかし一方で、いつでも論文の状態をインターネット上で確認できるのは、はたして良いことなのかと疑念を抱いてしまいます。というのも、投稿してから後、気になって毎日のように確認してしまうからです。はっきりいって時間の無駄だとは思いつつも、論文を大事だと思うほど、チェックに時間を費やしてしまいます。


 論文を投稿することで一区切りをつけ、新たな仕事に着手するのが理想でしょう。しかし論文の結果は突然メールによって知らされることが多いものです。審査結果を受け止めるにも心の準備が必要です。審査の結果、改訂が必要ならそれ相応の時間をとって取り組まねばならないし、断られた(リジェクト)なら新たに別の雑誌に投稿しなおさなくてはなりません。研究は日々の計画性がとても大事だと思っており、それに沿って集中して進めていくのが理想でしょう。論文投稿まではかなり計画に沿って進めることが可能ですが、投稿後はなかなか計画的にゆきません。


そんな投稿後の不意打ちを避け、計画を微調整していくためにチェックしているのかもしれません。しかし、基本的にウェブ上で進捗状況をチェックしているとひたすら「待つ」感じがするので生産的なことではありません。