Manga はすべて大文字

 今や日本を代表する文化となった漫画(Manga)。米国でも日本のコミックが英訳されて販売されています。米国でも子供たち(?)に人気があるのは、週刊少年ジャンプで連載されている忍者漫画「NARUTO-ナルト-」でしょう。いかにもジャンプ的な「友情・努力・勝利」なストーリーはともかくとして、仏教や神話などに由来する忍術名などが私も気に入ってます。


 ところで英語で漫画を読むときに気になるのが吹き出しの文字です。フォントもさることながら、文字はすべてアルファベットの大文字なのです。これがじつに読みにくい。普通に小文字(ただし頭だけ大文字)の時より読むのが半分くらい遅くなっている気がします。しかし、ネイティブの人にとってはそれほど苦痛というわけではないようです。


大文字はアルファベットとして小文字よりも判別しやすいようです。例えば、小文字の「i」と「l」よりは、大文字の「I」と「L」の方がぱっとみて区別しやすいという感じです。以前の印刷技術ではアルファベットの文字がつぶれやすかったことが関係あるのかもしれません。また、吹き出しを手書きで書いていた時代もあって、小文字より大文字の方が癖が出にくく読みやすいということもあったようです。このように定着したスタイルが今でも引き継がれているのかもしれません。これについては、Wikipediaでも議論があったようです。


 考えてみれば、中学校でアルファベットを習い始めてからというもの、大文字だけの文章を読む練習はほとんどしたことがありません。それに対して、米国では、テレビの字幕、新聞、本のタイトルなども大文字のことが多いので読む機会が多いように思います。


 いわゆる研究論文でも大文字タイトルはよく使われます。また、イタリック(斜体)文字からなる要旨もよくみられるのですが、これもまた読みにくい。ネイティブの人たちにとっては苦痛ではないらしいので、これも慣れていないからでしょうか。