セミの鳴かない夏と島

 大学院生の頃、京都の雑木林に毎日のように通っていました。初夏から秋にかけて、さまざまなセミの鳴き声を聞くことで季節を感じていました。


 5月のハルゼミにはじまり、6月下旬からはニイニイゼミ、7月中下旬からはヒグラシ、アブラゼミ、8月に入ってミンミンゼミ、クマゼミツクツクボウシ、チッチゼミが加わります。10-11月頃にチッチゼミが鳴き終え冬を迎えます。温帯にある地域としては、欧州や北米に比べて、日本のセミ科(Cicadidae)の多様性はなかなか高いと思います。


そんな日本のセミ相の豊かさは、アブラゼミ、ミンミンゼミ、ヒグラシなどの鳴き声が夏の風物詩となるほほどです。


しかし、この夏は、私にとってセミの鳴き声を聞かないはじめての夏となるでしょう。なぜなら、ハワイにはセミがいないからです。


 ハワイやガラパゴスカナリア諸島といった海洋島には、在来種であれ外来種であれ、セミ科は分布していません。ただし、日本の海洋島である小笠原諸島には、オガサワラゼミが生息し夏から秋にかけて鳴き声を聞くことができます。


 「セミの鳴き声=暑い」という条件反射がない、というだけでなく、ハワイの夏は思ったより涼しいかもしれません。


 7月に入っても、夜間は27から29℃くらいで、湿度は低く、とくに寝苦しいこともありません。夕方から夜間にかけてたまに雨が降ります。日中は、日差しが強いですが、風がふいていて湿度も低いので日陰は涼しく感じます。


自転車で坂道を登るとさすがに汗はかきますが、長時間でなければ気持ち良いくらいでしょう。8月は湿度、温度とももう少し高くなるそうなので、本格的な暑さはこれからかもしれません。しかし今のところクーラーも必要ないし、悪くはありません。