研究への情熱を感じる良い話。
九州のアマチュア天文家が見つけた新星が、強い放射線を出す新種の天体であることを、京都大・広島大などの研究グループが確かめた。13日付の米科学誌サイエンスに、アマとプロ、連名で発表する*1。研究者は「連携がうまくいった。日本のアマのレベルは高い」と話す。
福岡県久留米市の西山浩一さん(72)と佐賀県みやき町の椛島(かばしま)冨士夫さん(70)が3月11日午前4時ごろに天体望遠鏡で撮影した画像で、はくちょう座のデネブの近くに見えるV407という星が異常に明るくなっていることに気づいた。
2人は京都大花山天文台の前原裕之教務補佐員に電子メールで連絡し、広島大などが日米欧で共同開発した観測衛星のデータを調べ、普通の光の100億倍のエネルギーを持つガンマ線を出している新星だとわかった。
(中略)
西山さんと椛島さんは九州の天文同好会の高校生会員だったころから半世紀以上の知り合い。4年前、みやき町に観測所を自前でつくり*2、2人で新星探しを始めた。最近3年間で53個を見つけ、世界の半分を占めるという。
最新機器を持つプロに対抗できる秘密は観測時間にある。日没から夜明けまで夏は8時間、冬は12時間、晴れている限り盆も正月も関係なく毎日2人で観測。望遠鏡で撮影した画像を、パソコンで過去の画像と比較して、新発見があればすぐに報告する。
asami.com(2010年8月14日)から
アマチュア天文家、新種の天体発見 プロと連名で発表へ
発見者のお二人は高校生の頃からの同好の士で、精力的に天体観測をするための自前の観測所をつくり、チームを組んで観測してきたのでしょう。こういったものは、一人でやるより同好の士と一緒にやるとその楽しみは何倍にもなるはずです。
私も現在、共同研究でしばしばお世話になっている方がいますが、中学一年生の時に地元の自然史博物館のサークル活動で知り合いました。当時は共同で研究することになるとは夢にも思っていませんでしたが、純粋に虫のことなどを話したりしているだけで楽しいのは当時も今も変わりません。