研究者が語るとき

 新しい解析を使うべきか、昔の解析のままいくべきか、あれこれ考え事をしていたら、いつの間にか日が暮れかけていました。古い解析を改善した新しい解析の方が良いのですが、以前の研究との比較をするためには古い解析の値を使いたいところです。


 帰ろうとしたら、Kさんが今週末にある発表の準備で、スクリーンにプレゼンを映し出していたので、研究のことを聞いているうちに、すっかり夜もふけてしまいました。研究者には、自分の研究内容についてはとても熱く語る人が多いのですが、Kさんは特に、はきはきと歯切れ良く論理的に話します。ネイティブなので英語が話せるのはあたりまえですが、英語でも日本語でも論理立ててしっかりしゃべるというのは、また別の能力が必要な気がします。研究室周辺でも、良い意味で、最も口のたつ論客でしょう。もちろん、持って生まれたもの、というのもあるのでしょうが、自信というのも関係しているように思います。


 それにしても、Kさんが扱っている調査対象はおもしろい系です。やりたいことがありすぎて、どこまでやっても終わりがみえないという印象も受けました。とはいえ、大量にとったデータをもとに、論文をどんどん発表しつつあるし、ポスドク先が決まったということもあって、急遽Ph.Dをとることになったそうです。ただ、米国では、日本よりも、Ph.Dをなるべく早く取得する、ということには熱心でないような気もします。日本で言うところの、けっこういい歳でも普通に大学院生をやっている人も多いからです。それには、年齢差別(例えば、「助教公募:34歳以下がのぞましい」)がないからかもしれません。

 KさんのDefenseが楽しみです。



 今日は帰るのがすっかり遅くなってしまいました(アパートからみたホノルルの夜景)。