南極にも外来種

ナショナルジオグラフィックニュースより

南極で増える外来植物、原因は防寒具


 研究者や旅行者に付着して南極にも外来種が侵入しているというPNAS発表の論文です。


研究を指揮した南アフリカチョウン教授は、南氷洋のさまざまな島の生物相を調べ、島面積と外来種との関係を明らかにしたりゴフ島への外来種定着頻度を推定したり生態学外来種に関わる精力的な研究を行っています。他にも南氷洋ならではの興味深いさまざまな生物の生態を報告していて、例えば、ワタリアホウドリの巣に生息する(飛べない)蛾の話は印象に残っています(巣内の温度が外界よりも高く保たれているため活動や生育に適している)。


 地域固有のおもしろい現象に目を付けたり、一方で世界的にも通用するパターンを明らかにしたり、こういった広い視点に少し憧れます。


文献

Chown SL et al. (2012) Continent-wide risk assessment for the establishment of nonindigenous species in Antarctica. PNAS, online published.


Sinclair BJ, Chown SL (2006) Caterpillars benefit from thermal ecosystem engineering by wandering albatrosses on sub-Antarctic Marion Island. Biology Letters 2:51-54.