動画のインパクト

 動物の行動を研究していると、研究内容を人に伝えるのに長々と説明するよりも、その動物の動画を見せることが手っ取り早いものです。外国人研究者に説明する時には特にそうです。撮影した動画を編集していつでも再生できるようにスマートフォンに保存しておけば有用です。

 

 最近は論文にも動画が付いていることが多く、メディアでも動画で研究を紹介することが一般的になりました。ナショナルジオグラフィック(National Gegraphic)とか、サイエンス(Science Magazine)でも動画をつかった研究紹介記事が増えました。

 

 サイエンスで配信された動画で、2018年で私がもっとも印象深かった映像です。

 


First footage of deep-sea anglerfish pair

 

 アンコウの一種の交尾シーンです。メスに比べて小さなオスも印象的ですが、何よりインパクトがあるのは、メスの体から出ているたくさんの光り輝く長い突起です。美しいです。

 


Watch this eel inflate its head like a balloon

  

 次の動画はフクロウナギの生きた姿です。風船のように膨らんだ口がどのように閉じられるのか。これもすばらしい映像です。

 

 いずれの映像にも「Rebikoff Foundation」というクレジットが付けられています。この財団は、大西洋にあるアゾレス諸島を拠点とした海洋研究のための非営利組織です。研究者と協力しつつ有人潜水艇LULA1000で深海動物の調査を行っているようです。

 

 ウェブサイトからはどういう資金で運営されている組織なのかよくわかりませんでしたが、世の中には夢のある仕事があるものです。